浜岡原発は止められるか

結論から書こう。浜岡原発は止められるし、それによって停電や弱者が死ぬといったことは起きない。

この記事書く前に前段があってtwitterで議論をしていた。元々のtogeterにまとめられていた議論にそれはおかしいだろうと私が突っ込んだのが始まりになる。
内容を知りたい方はtogetterの下記の記事をご覧ください。
浜岡原発を停止するとどうなるのか - Togetter
浜岡原発を停止するとどうなるのか その2 - Togetter

でなぜ大丈夫かというと結論が言えるかというと、中部電力にたとえ余力がなくても西日本(60Hz)には浜岡原発の分をカバーできるだけの供給余力があるからだ。
まずデータから確認する。
西日本のピーク電力は10295万kW*1
浜岡原発で稼動しているものは350万kW*2
西日本全体での供給余力は1348万kW*3

差し引きで約1000万kWほどの供給余力があり、西日本全体で見ると10%ほどの余裕がある。
例えば東電は震災前の計画では需要が6000万kWに対して、6300万kWを用意していた。余裕は5%になる*4
東電の運用状況から見ると西日本全体で見れば10%という十分な余裕が確保できているので、浜岡原発を停止しても問題がないことが分かる。中部電力内だけで見ていると余裕があまり確保できないため停電が〜と言う人が出てくるが、反原発原発推進問わず議論する場合は市民が電力会社の都合を見る必要はなく、本当はどれだけ供給できるか*5をしっかりと見る必要があるだろう。

追記(2011/4/19)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110419-OYT1T00226.htm

特集 電力

 経済産業省東京電力は18日、今夏の電力供給力の見通しを、現時点の5200万キロ・ワットから5600万〜5700万キロ・ワット程度に引き上げる方向で調整に入った。

 東電は夜間電力を使ってダムに水をくみ上げ、電力需要が高まる昼間に水を落としてタービンを回して発電する揚水発電の稼働を増やせるか慎重に検討している。政府と東電は、今夏のピーク時の電力消費は5500万キロ・ワットを想定し、大規模工場など大口需要家に対して最大使用電力を25%程度、節電するように求めている。

この前日にあった記事
http://www.asahi.com/business/update/0415/TKY201104150441.html

 東京電力は15日、東日本大震災で落ち込んだ電力供給力を7月末までに最大5200万キロワットまで増やせるとの見通しを発表した。
(略)
 夜間に余った電力で水をためて発電する揚水発電分も新たに追加。これまでは夜間に余る電力が少なく、供給力として織り込んでいなかったが、夏場に稼働できる火力発電所が増え、揚水発電も400万キロワット分を見込めるようになった。

なお東京電力揚水発電は852万kW*6になるとのこと。@powerpc970さんは揚水はそんなに信用できないと言っていたけれど、記事を読めば分かるとおり東京電力揚水発電の供給力のほぼ限界800万kWまで使い切って今年の夏を乗り切ろうとしている。
これに習えば浜岡原発を停止したって、中部電力だけでも揚水発電を加えれば十分な供給力は確保されるので、他の西日本の電力会社からの支援無しで浜岡原発を止められるかもしれない。
一番楽観的な見通しで論外扱いを受けていた福島みずほの発言や反原発団体の資料*7の主張が一番正解だったようだ。

*1:@powerpc970が提示したデータによる

*2:これも@powerpc970が提示したデータによる

*3:東電内に“関電から電力の施し受けたくない”という考えあり - ライブドアニュースより

*4:ここら辺はネットで見た情報、一次ソースに当たった訳ではないです

*5:同一Hz内で

*6:wikipediaより

*7:http://nukewaste.net/denryoku.html