戦争が起きたらどうするかvs進んで国のために戦うか

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20060815/20060815_007.shtml

 【ソウル14日原田正隆】日本、中国、韓国3カ国の青少年のうち、「戦争が起きたらどうするか」との質問に「率先して戦う」と回答した割合は日本が41.1%と最も高く、中国(14.4%)、韓国(10.2%)と大きな意識差があることが、3カ国の研究機関による国家観共同調査で分かった。

 日本の青少年は戦う意思が強い半面、「まず避難する」も38.4%と、3カ国中トップ。中国は「できる役割を遂行する」が55.7%を占め、韓国は「状況を見て決める」(34.4%)と「できる役割を遂行」(30.8%)が圧倒的に多かった。「外国に逃れる」は日本1.7%、中国2.3%に対し、韓国は10.4%と高い割合だった。

 韓国メディアは、戦う意思が日本で高率、中韓で低率だったことについて(1)日本は北朝鮮問題など自国を取り巻く安保情勢を真剣にとらえている(2)日本では天皇制を中心とした家族主義的国家観が健在(3)中韓は急激な西洋化によって個人主義が強まり国家意識が薄れつつある―など、さまざまに分析している。

 調査は、韓国青少年開発院など3カ国の研究機関が中・高・大学生の男女計約3000人を対象に実施。「自分の国を誇りに思う」との回答は中国が60%に達し、韓国(37.7%)と日本(21.5%)を大きく上回った。日中韓を中心とする「アジア国家連合の結成」には韓国の青少年の63.5%が賛成し、中国(53.1%)、日本(45.3%)よりも積極的だった。

 =2006/08/15付 西日本新聞朝刊=

とあるが、前に取り上げた記事でも引用したが、株式会社 電通総研 | PUBLICATION | 世界価値観調査*1によると2005年の日本のデータで「進んで国のために戦うか」に対してはい(15.1%)、いいえ(46.4%)となっている。29才以下に限るとはい(7.7%)いいえ(59.1%)となっている。また「日本人であることにどのくらい誇りを感じるか」という質問に対してははい(57.4%)、いいえ(36.%)となっている。29才以下でも男女共に50%を上まっている。

調査対象の母集団が中・高・大学生と18才以上29才以下と違うということもあるし、設問が「戦争が起きたらどうするか」・「進んで国のために戦うか」と違うというのもあるとは思うが、今回の記事では41.1%、前回の記事では7.7%と大きく違う結果となっている。この結果は*2学生と多少なりとも社会にでている人との差なのか、それとも最近の右傾化(ネットウヨ化?)の影響をもっとも受けているのは学生ということであり、今後5年10年と見ていけば再び「進んで国のために戦うか」という質問に対して、はいと答える人が増えてくるという結果をもたらすのか、今回の記事のデータはどうゆう意味を持っているのかはまだ分からない。

追記

「戦争時、先頭に立って戦う」韓国10%、日本41%中央日報

今回アンケート調査は韓国青少年開発院と中国の青少年政治塾青少年政策研究所、日本の尚絅学院大学が3〜6月、共同で実施した。

*1:「世界価値観調査」はミシガン大学のロナルド・イングルハート教授が中心となって世界各国・地域の研究機関に呼びかけて実現した国際プロジェクトである。およそ五年ごとに18歳以上の男女個人1000人のサンプル以上を対象に意識調査を行い、国際的比較および時系列比較から、世界の生活者に関する長期的なトレンドを把握することを目的としている。

*2:どちらかの統計データにバイアスがかかっている可能性もありますが