太陽をなめるな

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091021/207734/
この記事がひどすぎてなける。
突っ込みどころも非常多い。といってもid:dankogaiさんが404 Blog Not Found:「太陽光発電の「不都合な真実」」の不都合な真実と言う記事でもうすでに結構指摘済みなので他にもう一点だけ。

産業革命以前の薪炭、牛馬、水車、風車と同様に、太陽光パネルはフローの太陽エネルギー利用であって、太陽エネルギーのストック(貯金)である化石燃料を大きく代替することはできない。
(略)
例えて言えば、サラリーマンがこつこつ働いた毎月の給料で、伯父さんの莫大な遺産で遊んで暮している金持ちと同じ水準の消費をすることはできないという事だ。既に何回か述べたように、68億人を擁する現代文明は、この大金持ちの遊び人の大散財で初めて成り立っている。

 ちなみに、現在の世界の耕地面積は既に全陸地の1/3を占めており、残りのほとんど全ては砂漠、森林、極地、山岳であって、農業にも太陽光発電にも利用困難だ。その、目一杯利用されている耕地が生み出す食糧の総カロリーは、現在のエネルギー使用総量のわずか5%程度にしか過ぎない。もちろん、現在利用されていない茎や葉をエネルギーとして有効利用できれば(ただし、今これらは大半肥料になっている)、何%か上げることはできるが、元来桁が違いすぎる。原理的に植物と大差なく、かつ土地利用で競合する太陽光発電で、化石燃料の大半を代替することは原理的に不可能と考えた方が良い。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091021/207734/?P=4

太陽をなめるな
と言いたい。太陽から地表へ照射されるエネルギーは約85PWもある。
その中で人間が実際に収集可能なエネルギーは1000TWぐらいとされていて、それに対して、現在の人類のエネルギー需要は約13TW(テラワット=10の12乗ワット)と推計されてる(資源エネルギー庁調べ)ので、実際に人類が収集可能なエネルギー量だけでもその数十倍になる*1
これだけのエネルギーがあるのに、ましてや宇宙にまで手を広げればさらに収集可能なエネルギーは広がるというのに*2、エネルギーが足りなくて文明崩壊なんてありえない。こんな太陽エネルギーに関しての初歩の初歩を理解して無いような記事を書くなどこの著者が信じられない。


後、ちょっと調べていて見つけたけれど、産総研の太陽光発電研究センターのサイトがなかなか太陽光発電関係の記事が充実していて便利だ。